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王子の狐 [あ]

【王子の狐】

 ある男が、王子のお稲荷様にお参りした帰り、
 キツネがキレイな女性に化ける瞬間を見た。
 化かされるアホなやつの顔をみてやろうとあたりを見回すと自分しかいない。
 
 「ははぁん、俺を騙す気なんだな」と考えた男は、
 騙されたフリをして騙してやろうと企み、適当な名前でキツネを呼んでみる。

 するとキツネも乗ってきて、近くの料理屋「扇屋」に入り
 あぶらあげではなくて天ぷらを注文する。酒も注文し、酒は呑んだことがない
 というキツネに酒をすすめると、お猪口二杯呑んだだけで酔っ払い
 眠くなってしまった、と言ってその場に横になり寝てしまう。

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タグ:小袁治 金馬
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厩火事 [あ]

【厩火事】うまやかじ
 夫婦ケンカに疲れ果てたお崎が、仲人のところへ
 離縁するべきか、と相談にくる。

 ワケを聞くと、細かい不満が積もり積もっているらしいことがわかる。
 骨董に興味を持ち始め小遣いを渡せば全部骨董を買ってくるし
 帰りが遅くなるからご飯をよろしくね、と言って出てくれば
 帰りが遅いのは遊んでんだろーと怒鳴り散らす。
 もう疲れたんだよ、と泣き言を言うが、同様に仲人も
 亭主が昼間っから酒を呑みグウタラしている様に
 我慢ならないところだった、と言った。

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タグ:愛楽 市馬

青菜 [あ]

【青菜】
 ある大きいお屋敷の庭で、植木屋さんに声をかける旦那様。
 今度の植木屋は仕事が気持ちいいので
 縁側でもってこうして酒を呑みながらあなたの仕事っぷりを見ている。
 そこで植木屋さんが手を休めタバコをくゆらせているので
 声をかけ、酒が好きなら一緒に呑まないか、と誘ったのだ。

 縁側に腰を下ろした植木屋さんに、江戸切子のキレイなグラスで
 大阪の銘酒を勧める。次いで、鯉のあらい、青菜を勧める。
 

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タグ:たい平

幾代餅 [あ]

【幾代餅】
 米屋の奉公人・清蔵が、花魁の幾代に惚れてしまう。
 寝込むほどに惚れてしまい、旦那さんに話をしたところ、
 「そんなに好きなら一年頑張って働いて金をためろ。俺があわせてやる」
 という言葉を貰い、清蔵は頑張る決意をする。

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タグ:圓菊

鮑のし [あ]

【鮑のし】
 友だちに、クジラが泳いでくるからと教えられ
 ひたすら海辺で来るのを待っていた甚兵衛さん。
 なかなかこないのでおなかをすかして帰宅するが、
 米も切れ、味噌も醤油も砂糖も切れ、いまや切れないのは包丁だけよ、
 なんてことをおかみさんから言われる。

 でも食べないワケにはいかないので、金貸しのきっつぁんに
 50銭のお金を借りておいで、といわれる。
 言われたとおりにお金を借りてくると、これでお米を買うのではなくて
 地主の倅が今夜祝言だからその祝いの魚を買って届けるんだと入れ知恵される。

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タグ:小遊三

植木屋娘 [あ]

【植木屋娘】
 お金持ちの植木屋さん夫婦には一人娘がありました。
 みつという娘は年頃を迎えていたので誰か相手を、と父親が企みます。
 するとお寺の御用で家に来た奉公の伝吉さんを婿にしたらどうか、と考えます。
 文字も書け計算も出来、頭も良く見てくれも良いときているので
 気に入ってしまったのです。

 が、伝吉はいずれ五百万石の家督を継ぐものだという理由で
 住職から断られました。(伝吉はお寺に奉公にきています)
 けれど諦められない父親は用は無いが、と
 呼びつけて娘とふたりきりにさせてみても
 いい雰囲気にはならずヤキモキするばかり。

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タグ:鶴光

鰻の幇間 [あ]

「鰻の幇間(「ほうかん」または「たいこ」)」
 いっぱちが客をとろうと街中を歩いていますが、こう暑いと
 客は1人もとれません。そこで、顔見知りの姐さん方の家を訪ね
 お昼でもご馳走になろうと算段をしています。

 が、時は真夏。避暑の為に留守の姐さんばかりで
 途方にくれていたとき、「どこかで見た顔の旦那さん」に出くわします。

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明烏 [あ]

【明烏】(あけがらす)
 日向屋の若旦那・時次郎は、難解な本ばかり読んだり
 境内で子どもと遊んだり近所の方とお茶を飲んでいる、頭の固い若者。
 散歩に出かけるのでさえ「勝手に外出いたしまして申し訳ございません」。

 そんな堅物の息子・時次郎を何とかして欲しいと願う父親に頼まれた
 町内の「札付きのワル」二人組・源兵衛と多助が
 若旦那を「お稲荷様にお篭りしましょう」とだまして吉原へ連れて行くことになった。
 実は若旦那の父親から、何とか硬い息子をやわらかくして欲しいと
 風呂屋で一緒になった際に頼まれていたのだ。

 吉原大門は「大鳥居」、見返りの柳は「御神木」、遊郭は「お巫女の家」、
 女主人を「お巫女頭」だと言われ、堅苦しい挨拶をして奥へ奥へと上がらされる。

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タグ:たい平 鯉昇

牛ほめ [あ]

【牛ほめ】
 茶室を新しくしたというオジサンの家に行き、
 それを褒めてくるどころか
 なんだかんだとけなして帰ってきた男が、
 再び同じオジサンの、新築の家を褒めに行くことになった。

 けれど、前回けなしたから行きづらいという男は、
 こうやって褒めるんだ、と教えてもらい、それを紙に書き
 翌日、オジサンの家に向かった。

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タグ:二乗

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