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明烏 [あ]

【明烏】(あけがらす)
 日向屋の若旦那・時次郎は、難解な本ばかり読んだり
 境内で子どもと遊んだり近所の方とお茶を飲んでいる、頭の固い若者。
 散歩に出かけるのでさえ「勝手に外出いたしまして申し訳ございません」。

 そんな堅物の息子・時次郎を何とかして欲しいと願う父親に頼まれた
 町内の「札付きのワル」二人組・源兵衛と多助が
 若旦那を「お稲荷様にお篭りしましょう」とだまして吉原へ連れて行くことになった。
 実は若旦那の父親から、何とか硬い息子をやわらかくして欲しいと
 風呂屋で一緒になった際に頼まれていたのだ。

 吉原大門は「大鳥居」、見返りの柳は「御神木」、遊郭は「お巫女の家」、
 女主人を「お巫女頭」だと言われ、堅苦しい挨拶をして奥へ奥へと上がらされる。
 ここまで来ても、まだお稲荷様だと信じている時次郎は、
 廊下を歩く遊女の姿を見てようやく、ここが吉原だと気付いた。

 「こんなところに来ているなんておとっつぁんや親戚に顔向けができません!」
 と慌てて逃げ出そうとするが、源兵衛に
 「来た時と帰る時の人数が違うと怪しいヤツだってんで大門で縛られます」
 と脅され、仕方がなく花魁と一夜を共に。

 翌朝、時次郎に帰ろうといいに来た源兵衛と多助は、
 帰ろうとしない布団の中の時次郎に
 「帰るよう花魁からも言って」と頼んだ。が、
 ウブな時次郎を気に入ってしまった花魁は、口では帰れと言っても
 布団の中で足を絡めて話さない。

 それならば若旦那を置いて先に帰ろうと話をすると、
 
 「帰れるもんならどうぞお帰りください、大門で縛られますよ」
タグ:たい平 鯉昇
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