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時そば [た]

「時そば」
 寒い冬の夜、そば屋に声をかける男がひとり。
 そばをひとつ注文し食べるのだけど、
 ダシが効いててウマイね、割り箸でイイね、
 そばは細くてイイね、カマボコが分厚くてイイねなど
 ありとあらゆることに対して褒め言葉をかけていました。そしてそばを食べ終わり、勘定(十六文)を払うとき・・・

 「ひー、ふー、みー、よー、いつ、むー、なな、やー。
  おいそば屋、今何時(なんどき)でぇ?」

 「ちょうど九つ時になりますかな」

 「九つだな、とー、じゅういち、じゅうに、じゅうさん、じゅうし、
  じゅうご、じゅうろく・・・ごっつぉさん!」

そば屋さんは一文騙されたのに気付きませんが、
この様子を見ていた町の若い者がこれに気付きました。
そして翌日の晩、自分も真似をしてみます。

が、声をかけたそば屋は昨夜のそば屋とは違って
そばは太くてネチョネチョ、丼は欠けている、箸は汚いうえ、
ダシもまずくカマボコの代わりに薄く切った麩を使っていました。
ようやくの末に食べ終わり、昨夜の男のように勘定をはじめたところ・・・

 「ヒー、フー、ミー、よー、いつ、むー、なな、やー。
  おいうどん屋、今何時でぇ?」

 「へい、よつ(四時)です」

 「いつ、むー、なな、やー・・・」


☆このお金の数え方は、三遊亭小遊三さんは「文」でしたが、
 外人にもわかるように英語での「時そば」では「円」だったりします。
☆上方では「時うどん」となり、そば屋ですがうどんを食べるようです。


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