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鰻の幇間 [あ]

「鰻の幇間(「ほうかん」または「たいこ」)」
 いっぱちが客をとろうと街中を歩いていますが、こう暑いと
 客は1人もとれません。そこで、顔見知りの姐さん方の家を訪ね
 お昼でもご馳走になろうと算段をしています。

 が、時は真夏。避暑の為に留守の姐さんばかりで
 途方にくれていたとき、「どこかで見た顔の旦那さん」に出くわします。

この旦那さんにウマイこといって、あわよくばお昼でもご馳走になろうと、
あれこれと話しかけて、どこかでいっぱい、てな話にもって行きました。

そこで旦那さん、古いが馴染みのところでウマイんだ、という話しになり、
連れて行ってもらうことに。

ようやくお昼にありつけ、しかも鰻だよ、おい♪という気持ちで
連れて行かれたお店は場末同然の古い汚い建物で・・・。

店の二階で出された酒や鰻を食べていると、
旦那さんがハバカリに行く、と言って席を外します。
いい旦那だな~どこの旦那だったかな~と考えていたら
なかなか旦那が帰ってこないことに気付きます。

ハバカリまで旦那を呼びに行くと、誰も居ません。
ああ入れ違いで部屋に戻ったんだな、と思って部屋に戻っても居ません。
気を遣わせないように先にお勘定を済ませ、ご祝儀なんかも置いてってくれて
イイ旦那だな~と思っていると、請求書を渡されました。

おかみにオレの連れはどうしたか、と聞くと、土産ふたり分を手に、
勘定は二階にいる「羽織り」を来た男がしてくれるから、と
言い残して先に帰ったという答えがあります。

いっぱちは、騙され食い逃げされた事に気付きますが
中々受け入れられず、店の色々なことに文句を言い出します。
酒はまずい、徳利・猪口は真っ白にしろ、掃除をしろ、
こんな硬い鰻あるか、漬け物がマズイ・・・。
ひととおり文句を言い、帰る時・・・履物を揃えておくれ、と
下足番に言うが、古い草履しか置いていない。
鼻緒のついた立派な下駄があっただろう、と問うと、

「お連れさんが履いて帰りました」


☆幇間とは、自らの芸を見せて場を盛り上げる職業の人のことのようです。

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